
#14です。
何者でもいい。
ただ愛しただけ。
君だけをまっすぐに。

■Aパート
竹林で休むギンコに男が声をかける。
どうやら道に迷い竹林から抜けられなくなったようだ。
…!?
3年間も人通りがなく迷っていたとな?!
さすがのギンコも『たら〜り(激汗』(笑)
男はもともとふもとの里の者。
ギンコはもちろん男自身も何故方角を失うのか不思議に思っていた。

しかしギンコも同じ場所に戻ってきてしまう。何度も…
方位磁針を確かめるが磁石が狂ってるわけではないらしい。
西に向かってるはずが気がつくと進路がずれ、ズレにずれて一周しているのだ。
「アンタも捕まったんだなぁ。こうなったらとりあえず俺らとここで暮らすかい?」
ん?俺ら??
どうやら男…キスケが迷う前から親子が住んでいた。親は亡くなってしまったが娘とは夫婦となり子をもうけていた。もともと二人は幼馴染だったらしい。
「まぁ不幸中の幸いだ」
「へぇ〜」
男を白い目で見るギンコがぁ(笑)惚気かよ!(大笑)
女の名前はセツ。柔らかい物腰の女性。
キスケは家にギンコを誘うが、ギンコは脱出法を探すため断る。
「元気でな」
男が別れ際に言った言葉に違和感を感じるギンコ。
竹林を進むギンコは今度はすんなりと抜けることができた。

茶屋で休息をとるギンコ。
そこで噂を聞く。
男は化物に囚われたと。
最後まで話してはくれなかったが、どうやら竹林には白い竹がはえているらしい。
興味を覚えるギンコ。
再度竹林に入ったギンコはキスケに再会する。
「それが俺の生業の範疇なら話を聞きたい。非常に稀な現象なんでな。もしかするとアンタをここから出す術もあるかも知れん。アンタがもしこれ以上踏み込むなと言うなら一人でやるが…」
キスケは白い竹までギンコを案内することを決める。
そこに生えていた白い奇妙な竹。どうやら他にも4本あるらしい。
「ふーん。やっぱり『マガリダケ』だな」
竹を確認したギンコは、竹林で起きた全てのことを聞く事にする。

里の子供達が聞かされて育った話。
「この竹林に若い夫婦が住んでいた。夫婦には長年子ができず、夫は陰気な家を空けるようななった。女は草木と話をするような変わり者だったが、やがて夜な夜な竹林を徘徊するようになった。そしてある時、子ができたようだと言う。夫は女房を怪しんで、ある晩女房の後をつけた。すると、女房は陶然と白い竹にすがり付いていた。夫は肝を潰して逃げ出したが、里の人々に咎められ家へ戻った。すると女は筍(竹の子)を赤子のように抱えていた」
女は筍を産んだと言っていたらしい。

それは男への嫌がらせだったのか…結果、男は里から逃げ出していた。村人達も嫌がらせだと思っていたが…
話を聞かされていた里の子たちも竹の子を見に行ったが、普通の娘にしか見えなかった。その娘がセツ。
キスケは妹や仲間達とセツと共によく遊んでいたが、どこか異質だと感じていた。水しか口にせず竹林の外に出なかったから…
やがて遊びに来ていた子等は竹林から抜け出せなくなってしまう。しかし、ひとりまたひとりと姿を消していく。消えたものは里に戻っていったのだ。やがてキスケひとりが取り残されたが、里の者が探しに来てくれた。だが、キスケと一緒だとみんな竹林から抜け出せないのだ。
ギンコに声をかけたのはよそ者ならどうなのか試してみたのだった。
それからはセツの家で暮らし始めたキスケ。キスケには妹以外肉親はなく、里の皆に育てられた。里の皆は家族同然だった。
しかし徐々に里の者の訪問も減っていった。セツはそんなキスケを気遣ってくれていた。やがてセツも子を身篭る。だが生まれた子は…
その時初めてセツの素性を思い知ったキスケ。
立ち会った産婆は逃げ帰りそれ以来誰も尋ねて来なくなった。
さすがのギンコも吃驚な展開(笑)

マガリダケ。
「名にタケとつくが草木ではない。竹というのは竹林一体が同じ根を持つ。それら全てでひとつの子。または世代交代する家族と言える。マガリダケはその根に寄生し家族の一員に成りすます蟲だ。竹の根から養分を吸って育つが、その分竹林を茂らせる成分を根に戻し、竹林を広げ自分の子株を増やしてく。アンタの女房は蟲と人との間の子。俺達の蟲師は鬼子と呼ぶ。非常に稀な混ざりモノだ」
「親は何でもセツはセツだ」
でっかい器の持ち主だぞキスケ!漢だ!
キスケの気がかりは唯ひとつ。妹のことだった。

■Bパート
目印を落としながら竹林を歩くキスケ。
ギンコは、不自然に方向を変える地点を記録し、結んでいくとほぼ真円になることを割り出した。
「自分の意思で進めなくなる」
思い出されるキスケの言葉。
ギンコは円の中心の株に向かう。そこではセツがマガリダケから『命の水』を取り出していた。
どうやら母から人には譲らないようにきつく言われていたらしい。ただキスケには一度だけ子供の頃あげてしまったことを告白する。
ギンコはセツに、里の者に忌み嫌われるのは辛いか問う。
キスケと娘がいればいいと答える。キスケが外に出れないのは可哀想だが、自分はそれが嬉しいと…
セツが去った後、ギンコはマガリダケから命の水を採取する。
「悪いが、少し失敬するよ。」
命の水を手にしたギンコは竹林の外に出ようとするが出られない。
「こいつは少し厄介だな」
竹林で遊ぶ娘。見守るキスケ。
あぁ〜こういう子いるいる(笑)
何気ない音とか落ちてくる葉っぱとか無性に楽しいことあるよね〜(嬉
キスケと娘の姿を見ていたセツはキスケの言葉を聞く。
「広くてなぁ日がいっぱい射して賑やかな里なんだよ。お前にも見せてやりたいなぁ…」

セツはマガリダケの元に戻りひとり泣いていた。
「だいじょうぶよね…きっとキスケはだいじょうぶ…」
そこにギンコとキスケが訪れる。隠れるセツ。
竹林の外に出られない原因。
蟲は意思を持つ。その蟲の身体は竹林全体。意思を伝えるものはセツたちが飲む水。普通の水は株に近づけても反応しないが、その水は持っているだけで蟲の意思に感化されてしまう。口にした者はもちろん傍にいる者までも…
何気ないセツの優しさが、キスケを囚われの身にしてしまった。
身体から水を出す方法は思いつかない。もうひとつの考えられる手段。それはやりたくないと言うギンコ。どんな影響が出るか分からないから…
おそらくその方法は株を…

夜。
セツは静かに家を抜け出し株の元へ向かう。
「あなたが…キスケを捕らえてくれてたのね。ありがとう…ごめんなさい」。
株に斧を振り下ろすセツ!
しかし斧は株には届かず地面に振り下ろされる。
ここは蟲のテリトリー。水を飲んでいるセツにも蟲の意思は伝わるのだ。
その姿を見つけたギンコ。
「全部聞いていたのか…?」
ずっと大切にしてくれキスケ。傍にいてくれたキスケ。愛してくれたキスケ。
そんなキスケを捕らえてしまったこと…
号泣するセツは、もう一度斧を握り締め株に振り下ろす…
「ザクッ!」
株に食い込む斧。
ありえない事態に驚愕するギンコ。
セツは何度も何度も斧を振り下ろす。株に食い込んでいく斧。倒れるマガリタケ。
倒れたマガリダケは枝葉を足に幹を身体として走り去っていった。

家にいないセツを探し回るキスケ。
すると竹林から出られなかったはずなのに里まで来てしまった。
喜び妹の下へ向かうキスケ。しかし妹は、連れている子があの『竹の子』だと知ると冷たく言い放つ。
「帰って!そんなモノ里に連れて降りないで!」
妹はあの一件以来肩身の狭い思いをしてきたのだ。自分の子にまで肩身の狭い思いをしてほしくがないために出た言葉。
拒絶され愕然とするキスケ。
「ねぇおかあちゃんは?」
呆然としていたキスケだが無邪気に尋ねる娘に自分の居るべき場所を気付かされる。
キスケはセツの待つ家へ戻り自分の大切な者達を抱きしめた。

それからしばらくは幸せに暮らしたというキスケたち一家。
半年後、ギンコがマガリダケの親株を切った影響を確かめに訪れる。そこにはマガリダケが1本も生えていなかった。驚愕するギンコ。
キスケ達の家を訪ねるとそこには、生気をなくしたかのようなキスケが居た。
あれから白い竹は次々と朽ちていった。セツと娘はあの『命の水』あっての者だった。まるで枯れ木のように脆くなって死んでいった。
「セツはあんなことしちゃならなかった…あれはセツの親だったんだ…俺がそうさせたんだ!俺が…里を捨て切れなかったから…」
竹林を吹き抜ける風。
舞い散る竹の葉。
キスケがいちばん好きだった季節。
セツがマガリダケを切った季節。
遥か向こうに見えるのは白い竹。
そして赤子の鳴き声が聞こえる。
二人の墓の方から…
そこには…
うわ〜ん(号泣
涙ボロボロ露羽でございます。
最初はコメディータッチの話かなぁと思っていたんですよ。
それがなにこれ。
竹林の昔話からだんだん切ない方向に…
セツ本人を見て何事にも動じずに愛し続けたキスケ。
はからずもキスケを捕らえてしまったセツは何事に代えても開放しようとする。
蟲の意思を撥ね付けるほど想いの深さから斧を打ち下ろしたセツ。
開放されたキスケを待っていたのは残酷なまでの現実。
望郷の念を抱いた里には居場所がなく、愛しい家族は死んでしまう。
それでも家族と過ごした竹林に居続けたキスケに差し込む一条の光。
絶望から希望への道を歩み始める…感動です!
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