
時間が取れなくて遅くなりました。
#17です。
願いを込めて。
奇跡を信じて。
闇に溶け込むこの想い。
それでも。
何時か…何処かで…必ず…

■Aパート
「現世には数多のウロが開いている。煙の如く消えしモノらはウロを彷徨い続けるのだという。記憶をなくし…心をなくし…」
ギンコの元に文が届く。
仕舞ってあった繭のようなモノの中に収められた手紙。どうやら何らかの蟲を利用した通信手段らしい。
この繭は定期的に交換が必要のようですね。交換しないとまともに届かなくなるのか…ほう…
届いた手紙はギンコ宛ではなかったらしい。
「綺?」
ギンコの知る人物なのだろうか…?
山で繭のようなモノを採取する女。
女の家には繭を加工したようなものが釣り下がっていた。ギンコが持っていた繭と同じようなモノ。
女の名前は『兎澤綺』という。真剣な面持ちで文をしたため繭の中に差し込む。何かを願うように繭を優しく両手で包み込む…
「あ…」
うわぁ可愛い声だなぁ…(ぉ
戸を叩く音に外を見る綺。そこにはギンコが訪れていた。

「そういやぁギンコのウロさんも換え時だったね」
あの繭のようなモノをウロといい、古くなると、文が千切れたり、別の文が迷い込んだりするらしい。
「あ…」
声が可愛いよぉ(ぉぃ
届いた文を見せるギンコ。どうやら綺は何かをし続けているらしくギンコにも心当たりがある様子。

「緒ちゃんは、まだどこかにいるのよ…」
どうやら緒という娘がいなくなったらしい。その娘を探すために綺は、使い古されたウロを利用して手紙を出しているらしい。
ギンコ曰く、連れ戻すことは出来なく、運に任せるしか方法はない。いったい緒に何があったのか…?
昔…まだ綺が幼かった頃のこと…
何も入っていない繭を日に透かし不思議そうに見つめるふたりの少女。子供の頃の綺と緒。
空の繭は取ってはならない。蛹の代わりによくないものが住むから…
綺の家族は繭から糸を作ることを生業としていた。
そこに本家の爺さまが尋ねてくる。程なく母親に呼ばれる二人。
本家の爺さまは綺と緒に用があって訪れたのだ。
綺の一族はウロを作るウロ守の一族であった。子供が生まれると蟲が見えるか調べ、素質あるものは後継者として、時期を待ち引き取られていく。
綺と緒は久しぶりに生まれた素質のある子だったのだ。ウロ守である山の爺さまは、ふたりが二歳のときに素質を調べ、10年後引き取りに来ると言い残し帰って行った。
本家の爺さまは、両親には酷な話だがひとりで行かせるよりふたりで行かせた方が寂しくないのではないかと説得し、ふたりは共に山の爺さまの元へ行くことを決意する。

ふたりは手を取り合い山の爺さまと共に、山奥の家に旅立っていった。
戸は少しだけ開けておく。ウロさんがいたら呑まれてしまうから…
よくよく見ると爺さまの家の戸は、何処も彼処も必ず少しだけ開いていた。
先代の婆さんが亡くなってからは、ずっと一人で住んでいた爺さま。話し相手は稀に訪れる蟲師くらい。
山の爺さまは一見怖そうだけどとても優しい人だった。
蟲師から聞いたおもしろい話を、可愛い後継者に聞かせたくて書き留めていた。らぶりぃだぜ爺さまv
タマ繭という二匹の蛹が作った大きな繭がウロの原料となる。
爺さまの仕事を見学する二人。天井からぶら下がる無数の繭。
「普通、繭は1本の糸で出来とるが、タマ繭は2匹で作るから2本の糸で出来とる。そいつをバラして、ふたつの繭に作り直すが、部屋全体が薄くなるんでウロさんが混乱して出てくる」
綺は爺さまに言われたとおりに、繭から出てきたうろ様をすくう。そして作り直した繭にウロさんを入れる。入れた穴を封印する爺さま。
「ウロさんは当分このふたつの巣の間しか行き来できなくなった」

爺さまの元に届けられた文は蟲師への依頼らしい。
「さて…次は誰の番だったか…」
指名のない依頼は持ち回りらしいが…
「コイツにしとくか」
えー!なんていい加減な(笑)誰に依頼するか爺さまの胸三寸かよ!(大笑)
「蟲師というのは歩き回っとるから、こうして壱ノ巣に文を入れるとウロさんが蟲師に持たせた弐ノ巣まで、そのうち持って行ってくれる」
“そのうち”なんだ…(汗
ウロさんは巣からどんどんウロ穴を広げていき、いずれどこかの密室やウロ穴に貫通してしまい文が届かなくなる。
爺さまの話を聞いてウロさんに興味を持った綺と緒。
しかし爺さまは、ふたりを戒める。ウロさんを軽く見ないように。
「ウロさんってのは、現世に風穴開けてまわる恐ろしい蟲なんだ。この辺りはウロさんの湧きやすい土地でな。密室を見つけては湧いて出る。だから部屋の戸は閉じちゃならん。誤って戸を閉めちまったら開けてはならん。開けてもしウロさんが中にいたら、逃げ出すウロさんと共にウロ穴に取り込まれちまう。ウロさんは密室の外に長く居られんモノだからな」
取り込まれたらずっとウロ穴を彷徨うことになる…
爺さまちょっと脅かしすぎてしまった感があります。ふたり脅えてますよ。最後は優しく語りかけてましたけど(苦笑)

「閉じてはならん…開けてはならん…」
爺さまから夕方まで自由にしてていいと言われたふたり。
洗濯道具を蔵にしまいに行く綺を緒は、蔵の戸に気をつけるように注意を促す。
縁側で綺の戻りを待つ緒。
暖かな日差し。爽やかな風。気持ちのいい時間が過ぎていく…
あまりの気持ちよさに、そのままうたた寝をしてしまった緒。
吹きぬけた風に洗濯物が飛ばされ緒を覆う…まさに睡魔に襲われた緒。
ふと目覚めた緒の目に映るウロさん。察する自分の状態。
蔵から戻った綺は知らずに洗濯物を緒から剥いでしまう。
「開けちゃダメ!」
間髪遅かった言葉…
潰れる洗濯物…
居なくなった緒…
吹き抜ける風…
「緒ちゃん…」

■Bパート
自分を責める綺…
「あたしが布をめくったから…ちゃんと布を留めておかなかったから…」
連れ戻す方法を爺さまに尋ねるが、手立てはない。ふたりを想い頭を抱える爺さま…
綺は決意する。緒を必ず連れ戻すと…
悲痛すぎる…なんて悲痛な決意なんだろう…
ずっと一緒だった緒ちゃん。居なくなることなんて考えたこともなかった綺。
あれから5年。綺は諦めきれず、万が一の可能性を信じてウロ穴が広がりすぎた繭に、ずっと手紙を託し続けていた。
ギンコは綺の心と身体を心配してか、試しにウロ穴へ入ってみることを提案する。
ウロ穴がどういうものか実感することでキリをつけさせるために…
深い山の中。
コウミャクスジの木にウロが湧くと拒絶反応を起こし蟲瘤状になる。
ギンコはその瘤に身体を沈めていく。意を決しギンコに続く綺。

蟲瘤を掻き分けながら辿り着いたウロ穴の入り口。
ギンコたちは、遥か昔の蟲師が通した鎖を伝い、奥に進んでいく。このウロ穴は、蟲師が抜け道に使う古道となっていた。
ウロ穴のあまりの複雑さ広大さに息を呑む綺。
無限に広がる穴のうち、外に繋がっているのは鎖の先ひとつだけだという。他はどこかの密室へ。中からは開けられない。
このような大ウロが限りなく存在している。緒がこのウロ穴を通った可能性も限りなく低いのだ…
人の手ではどうしようもない現実が、ただそこにあるだけ…
「おまえの中のでっかいウロの口は塞げ…戻ってこれなくなる前に…」

どうしようもない現実を己の目で確認した綺。
それでも心のどこかで願ってしまう。
何時か…何処かに…緒ちゃんが帰ってくることを…
そよぐ風はまるで己の心を吹き抜けていくよう…

暗い冥い闇の中…
ただひとつ差し込む一条の光…
光を求めて手を伸ばせば…
「とある養蚕の里に、奇妙な記録が残されるのは、それから数年後のこととなる」
糸をつむぐ老婆。
繭から伸びる人の指。
そりゃビックリするってば(笑)
「人の子繭より出でり。齢十ほどにして、言葉を得ず。」
繭から出てきた少女の懐には手紙が収められていた。
それは綺から緒へ宛てた遥かなる手紙。
綺の切なる願いは緒に届いていた。想い続けた奇跡か…それとも双子の神秘か…
「のち、懐の文を頼りに故郷に戻りし…と」
双子でありいつも一緒にいたからこその想いの強さ。
まるで魂の半分が無くなってしまったような虚無感があるのではないかと思います。
可能性の低さを理解していても行い続けた文を送る行為により再会を果たしましたね。綺が文を送り続けていなければ、緒がウロ穴から戻れたとしても再会できませんから…
緒は、綺とは5年+数年でおよそ7〜8歳ほどの差ができ、しかも覚えていない。帰ってきたことは物凄く嬉しいでしょうが、反面とても辛く悲しい現実でもあります。
それでも現実に負けないで強く生きていくのだと思います。双子というより姉と妹として。
今回の話は視聴してる時間はあっという間に過ぎたのですが、いざレビュー&感想を書こうとするといつも以上に時間が掛かりました(汗)
印象的なセリフや、謎だった蟲師の通信方法が分かったりして重要な回だったかなと。話自体もおもしろかったし。
悲しいけど心地いい話だと思いました。
![]() | 蟲師 オリジナル・サウンドトラック TVサントラ ジェネオン エンタテインメント 2006-03-24 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
![]() | The Sore Feet Song ~TVアニメ「蟲師」オープニングテーマ~ 増田俊郎 アリー・カー Ally Kerr 増田俊郎 ジェネオン エンタテインメント 2005-10-21 売り上げランキング : 33,026 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
![]() | 蟲師 第一集 (初回限定特装版) 漆原友紀 長濱博史 中野裕斗 エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ 2006-01-25 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
![]() | 蟲師 第ニ集 (初回限定特装版) 漆原友紀 長濱博史 中野裕斗 エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ 2006-03-29 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
![]() | 蟲師OFFICIAL BOOK 漆原 友紀 講談社 2005-12-22 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |