
#18です。
ただ描きたかった。
父に認めてもらいたかった。
送り出してくれた姉の為にも。
故郷を忘れたとき
全てを無くした事にも気付かなかった。

■アバン
古道具屋を訪れているギンコ。
主人が見せる羽織の羽裏には見事な絵が描かれていた。それは一昔前に名を馳せた天才絵師のもの。
その山の絵では、時折炊事を行うものがいると言う。
たまに絵の山から白いものが立ち上っているのだ。それはまるで民家から立ち上る煙にように…ゆらゆらと…
主人の話に聞き入るギンコ…
「ねぇ…あんな山の上にも誰かが住んでいるんだね」
少年は父に話しかけるが、ここから先には誰も住んでいないと言う。
しかし煙がたくさん立っている。
父は、誰かが炭でも焼いているのではないかと答えるが、姉は別の答え。
「神様が飯炊きしてるんだよ」
粋な回答!なかなかやるな!
しかし珍しい…
OPスタッフロールとストーリーを同時進行させてるよ…
まるで最終回じゃねーかよ…

■Aパート
少年は大人になった。
「あの頃、山には不思議なモノがいた。山は今もあの頃と同じ姿でそこにあるけれど、もうあの頃とは違う。あの時までは確かに、故郷はまるで柔らかな衣に包まれているかのようだった」
カイのために姉は、絵の師匠に失礼のないようにと着物を用意していた。山の蚕と草木で作った極上のもの。
「カイ…もう戻ってこれなきゃそれでいい」
優しい姉さんだね。弟の成功を信じてるんだなぁ。でも父親は反対してるわけか…
姉の優しさに触れ立派な絵師になることを誓うカイ。そしてカイは旅立っていく。
冬。
師匠の下での修行の日々。
下っ端のカイはまだ雑用しかさせてもらえない。
カイは師匠が残した絵の具を使いこっそりと羽裏に絵を書いていく。
姉が用意してくれた大事な着物に…泣きながら…

春。
洗濯中のカイは暖かくなってきたのを実感しながら、何気に羽織を脱ぎ枝に掛ける。
その時、同僚に呼ばれ羽織をそのままにしてしまう。
カイが戻ってくると、師匠が羽織を覗き込んでいた。
「お前の羽織か?この羽裏、誰の作だ?」
カイは正直に話す。どうしても描きたくて描いてしまったことを…
「気に入らんな…気に入らんぞ…ッタク…ブツブツ…」
師匠から画室に上がることを許される。めっちゃ気にいってんじゃんかよー(笑)
しかも教えられることはあまりないってさ。才能も腕も認めちゃってるよー(笑)
ひとり立ちしたカイ。
あと一息で完成の絵なのに絵の具がなくなってしまった。
絵の具がなくては絵が描けない。依頼された絵の納期は迫っている。しかし金がない。借りる宛てもない。
仕方なく大事な羽織を質に出すが…

依頼の品を無事に納めたカイ。依頼主も満足気。しかし、新人ゆえ無名。
どうやら師匠のお墨付きを貰えるほど腕はあるらしい。
気に入られたカイはもう一枚依頼される。
一心不乱に絵を描き進めるカイ。
寝る間も惜しんで完成させていく。
出来上がった絵はそれは素晴らしいものとなった。
カイの絵は好評で注文が相次いでいく。
創作意欲を掻き立てられるカイ。
しかしひとつ失念していることがあった。
それは質草の羽織。

カイは弟子を取るほどになっていた。
しかし、筆は進まず納品の催促が来てしまう不調。
届けられた書状を読まずに燃やしてしまう。
飲み屋で聞いた地滑りの噂。西の方の郷らしい。
まさかとは思いつつも他に気をとられている場合ではないと打ち消してしまう。
質草となった羽織は流れてしまっていたが、カイはそれにも気付かない。
心にあるのは功名心…
納品した絵は気に入られはしたが…病気ではないのかと尋ねられる。
以前の絵はもっと生命力に溢れる感じだったから…
筆を進めるカイ。しかし身体に走る違和感。
医者に診てもらうが、疲れではないかという診断。
寝床に就いたカイは家族のことを思い出す。
病に伏せると優しく看病してくれた姉。
「元気にしているだろうか…」
結局許してくれなかった父。
家を出てから既に10年以上…故郷の山河の匂いに包まれ二人に会いたい…

カイは意を決して里帰りをするが…
そこに待ち受けていたのは、跡形もなく土に飲み込まれた故郷だった。
呆然とするカイは偶然叔母に会い事情を聞こうとするが…
「姉さんから文が行ったろうに…読んでおらんのか?」
燃やした催促状の中に文があったのだろうか…カイは何も知らなかった。
3年ほど前、ひどい地滑りで全てがなくなってしまった。
村人は話し合い、立派になったカイに助けてもらおうと、姉に頼み込み文を出してもらったのだ。
父は地滑りで死に、姉は翌年子を産み死んでしまったと言う。
カイを見つめる村人の冷たい視線…
打ちひしがれるカイ…
叔母はもう来るんじゃないとカイを追い返すが…

■Bパート
古道具屋の主人によると、人気だった天才絵師は突然ふつっと姿を消してそれっきりだと言う。
どうやら主人は絵だけでも売り物になるので、ギンコに相談を待ちかけた模様。
羽織を調べるギンコ。
薄絹なのに異様に重い羽織。蟲の気配もある。
つーか…主人のターゲットは化野かよ!化野に売りつけるのかよ!(ぉぃ
んでもって値段交渉。
ギンコの方が一枚上手でした。結局提示額の半値(笑)
カイの元を訪れる弟子。
どうやらカイはあれ以来ずっと郷に留まっていたらしい。
カイは何も描けなくなっていた。筆をとっても何も浮かんでこない。
カイは村人達にとって自分は余所者だと思っていた。
何も援助できなかったのだから…
誰が置いたのか玄関先に食料が置いてあった。
カイはそれを手にとり食す。
「郷の土の味だ…」
朝。物音で目覚めると玄関先にまた食料が置いてあった。
姉の忘れ形見を背負い、叔母が届けてくれていたのだ。

カイはその時より荒れた土地を開墾し始める。
眩暈もなくなり、身体も軽くなってきていた。
収穫した食料を持って叔母の家に向かうカイは、途中で姉の子トヨに会う。
「婆ちゃん、冷やっこくなった」
カイが立ち直るのを待っていたかのように亡くなった叔母。
村人はトヨを遠くに住む父方の親戚に預けようとする。
引き取ると言うカイに、育てられないと聞く耳を持たない。
土下座し頼み込むカイ。
…んー…多分父方に預けたらもっと悲惨な状況になったと思ってしまう。村の惨状の噂は届いているだろうに引き取らないのだから。頭も身体も育ちが悪いと言い切るなら尚更。まぁ人間なんて自分達の目に届いてなけりゃ知ったこっちゃないのだけど(酷

この時より村人の目が変わったかのよう…
試行錯誤して生活するカイを手助けするものが現れる。
トヨはもう5歳になるがまるで赤子のよう…
心配になるカイだが、それでも笑顔が絶えることはない。
復興していく村。実りゆく黄金色の稲穂。
カイは手伝ったお礼にと饅頭を貰う。
「姪っ子に食わせてやれ」
帰り道、ふと山を見ると、あの頃見たあの煙が立ち昇っていた。
驚愕し感動するカイ。

しかし、ひとつだけ気になる煙があった。
そこに向かってみると地面から泡をたて煙が湧き出している。まるで何かが地面を移動しているかの様。
突然、人型に盛り上がる土。腰を抜かすカイ!
って…ギンコじゃん!(ぉ
「ぺっ…死ぬかと思った…やっぱり、買うんじゃなかった」
あれ?目が青い…青かったっけ…?
訳の分からん状況に何とか一言発するカイ。
「何だ…アンタ?」
「よぉ別に怪しいものじゃ…」って、充分怪しすぎますから!
ギンコは、引き取った羽織が軽くなっていることに気付く。
カイも自分が手放した羽織だと気付いた。
事情をカイに話すギンコ。
どうやら山に入った途端、異変がギンコを襲ったらしい。
シリアスから一転コミカルな展開をどうぞ(ぉ
当然重くなる荷物。…子泣爺?(違
よろめいて手をついてしまうギンコ。そのまま地面に飲み込まれていく。踠いても踠いても抜け出せない。
結局顔面ダイブをする羽目に(ぉ
で…土から出れたと思ったら羽織から蟲の気配が消えていた。

話を聞いたカイは思わず吹きだしてしまう。
ギンコはもう諦めがついていた。
羽織にいた蟲は子持ちの『ウブスナ』というモノらしい。
「土地により固有のモノがいる泥状の蟲だ。とはいえ、それは土の中にいるときの姿で、地表に出ると煙状になるようだがな」
郷で地滑りがあったときウブスナも流れてしまった。ウブスナは土地の匂いのする羽織を見つけ身を寄せたらしい。ウブスナは他の土地では生きていけないのだ。
「その土地から生じる全ての植物に微量に宿る。そしてそれを口にして、動物も体内にウブスナを宿す。何処にでもいる蟲だけに影響力は小さいし、宿主が土地を離れれば全く力を失う。生まれた地に戻りさえすれば、また生涯他の些細な蟲からは守ってくれようとするモノだがな」
どうやら乳離れの頃に充分に摂取できなければ、子供の成長にも影響があるかもしれない。
でも、今からでも遅くない。大量のウブスナが戻った今、少しずつでも食わせれば何とかなるかもしれない。
カイは手元に戻ってきた羽織を買い戻す。
ただし条件付。

化野だぁ!
騙されてる…騙されてますから!
10年に一度じゃないと思いますよ!…本物なら(ぉ
ギンコの顔も引きつってる様に見えるのは気のせいか!(ぇ
「まっ…死ぬ思いした訳だし…これくらい許されるだろう」
誰に向かって言ってるんですか?ギンコさん!(笑)
カイが着ていた羽織に同じ絵を描いてもらったギンコ。
えーと…これは…まぁ…いいかぁ贋作ではないし(ぉ
意を決して筆を執るカイ。
そこに起きてきたトヨ。
「あぁ〜」
トヨはカイが描く絵を初めて目にする。筆を走らせるカイもあの頃のよう…
「おやまー」
「そうだぞトヨ。お山だ」
「もっと描いてー」
故郷を飛び出し才能を認められるも、その才に溺れ功名心を刺激される。気付いたときには大事なものを全て失っていた。
本当に大切なものはすぐ近くにあったのに…
立ち直る切欠はささいな優しさ。居場所を作れたのは決意の大きさでしょうか。
とはいえ…
感想書き難いぞ…この話…
前回同様面白かったんだけどねぇ
ウブスナが植物に微量に残り動物の口に入る。これって公害問題に繋がるよね。土壌汚染だとか水質汚濁とか…
まぁウブスナの場合は守ってくれるわけだが。
姉や父が亡くなってしまったのは悲しいけど、最後に救いがあってほっとしましたね。
そうそう…
『蜂列車待機所日記』さんの記事で知ったのですけど、蟲師20話で打ち切りなんですか?
アフタヌーンで発表があったとか…
フジの深夜アニメの扱いは視聴者を舐めてるとしか思えん。
制作サイドは負けずに頑張って欲しい。第2期制作にも意欲的だという話を何処かで見た気がします。実現して欲しいなぁ…
![]() | 蟲師 オリジナル・サウンドトラック TVサントラ ジェネオン エンタテインメント 2006-03-24 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
![]() | The Sore Feet Song ~TVアニメ「蟲師」オープニングテーマ~ 増田俊郎 アリー・カー Ally Kerr 増田俊郎 ジェネオン エンタテインメント 2005-10-21 売り上げランキング : 33,026 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
![]() | 蟲師 第一集 (初回限定特装版) 漆原友紀 長濱博史 中野裕斗 エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ 2006-01-25 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
![]() | 蟲師 第ニ集 (初回限定特装版) 漆原友紀 長濱博史 中野裕斗 エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ 2006-03-29 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
![]() | 蟲師OFFICIAL BOOK 漆原 友紀 講談社 2005-12-22 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |