
とうとう地上波最終話の#20です。
打ち切りなんて勿体無いなぁ…
狩房文庫。
蟲封じ指南書を書き綴る女。
一族が背負った宿命。
指南書を書き終えた時に望むこと。
それはささやかな願い。

■Aパート
普通に始まった最終話。『山抱く衣』みたく始めるかと思っていたのに…(ぇ
巻物に書き連ねられる膨大な文字。
汗を流しながら筆を進める女。
ある屋敷を訪ねたギンコ。知り合いらしい老婆が出迎える。
「淡幽の調子は?」
ギンコは淡幽なる人物を尋ねてきたらしい。
執筆をしていたという老婆の言葉からすると先ほどの女性が淡幽なのか…
この屋敷には書庫があるらしく、ギンコはよくそこに行く模様。
その書庫で待つように言う老婆。
屋敷の奥、鍵を掛けられた通路。地下深くに続いて行く…
地底に立てられた蔵。その中には膨大な書物が封じられていた。
「先代までのは粗方読んだなぁ…」
ギンコはこの蔵で自由に書物を読むことを許されているらしい。
が、老婆はギンコから蟲煙草を取り上げる。
「『もしも』があっちゃならないからねぇ。ここの書物が、ただの蟲封じ指南書ではないこと…忘れてはおらんだろうな(ギロッ」
「わかってるよ」
まるで母親に注意されてる子供みたいだ(ぇ
素直に蟲煙草を渡すギンコ。

「そう…これらの書物は、紛れもなく秘書である。内容は勿論のこと、その存在理由に於いて主に」
ギンコが今回読み始めた書物。それは狩房家第四代筆記者淡幽の生誕についての文書。狩房家付蟲師薬袋たま…先ほどの老婆が記したもの。
汗を流しながら文書を編纂していた女は、安らかな吐息を立てていた。
たまは、女…狩房淡幽を優しく見つめる。
昔。
狩房家にひとりの女児が生まれた。
しかしその女児は、過酷な運命を背負っていた。
『墨色の痣』
それは狩房家にとって筆記者の証。四代目淡幽の生誕だった。
女児は少女へと成長する。
墨色の片足。松葉杖を突きながらの生活。
「私も外で遊びたい!何で読み書きの勉強ばかりなの?何でこの足動かないの?」
少女の悲痛な叫びに、たまは全てを話すことを決意する。

たまは真実を語りだす。
少女の墨の右足。それはたまの先祖の蟲師が、少女の先祖の身体に『禁種の蟲』を封じた痕だった。
禁種…
「本来、私ども動植物と蟲は同調しておるものです。動植物栄えるところ蟲も栄え、涸れたるところでは涸れるもの。けれど、その昔の大天災の折、動植物も蟲も衰えいく中、異質な蟲が現れ他の全ての生命を消さんとしたのです」
どんな蟲だったのか…その記録は一切残っていない。姿も形も封じた方法さえも…
唯一の記録。それは、身重の身体で蟲を封じた先祖の身体は全身墨色になり、体内で生き続け、出産後亡くなったということ。
以来、狩房家には何代かに一度墨色の痣を持つ子が生まれるようになった。
「私もそのうち死んじゃうの!?」
「そうさせぬ為にたまが居りまする!」
蟲を眠らせる力も少女は持ち合わせているはず。
たまは少女の頬を包み優しく諭す。
自分も手伝うと。暫くしたら別邸に移り地下に蟲を封じると。そうすることで痣は消え歩けるようになると。
そうやって3人の先代は少しずつ痣を消していったのだった。

眠りから覚めた四代目淡幽。見ていたのは昔の夢…
別邸に移り、たまから聞かされた蟲を封じる方法。それは意外な方法。
---たまの語る話を紙に写し取る。
「たまが昔、蟲師をしていた頃、蟲を屠った体験談。夢物語のような実話ばかり。大捕物は活劇調に、悲しい話は行灯の下で。遠い土地、見知らぬ人の物語。それらは常に私の心を惹き付けた」
しかし紙に記すとき墨の足に激痛が走る。それは蟲が紙に移動する証。屠った話が蟲にとっての呪となるのだ。
痛みに苦しみながらも淡幽はたまを気遣う。自分に仕える為に蟲師にならざるを得なかったこと。
しかしたまは、淡幽に会えたことで全て消えたと告白する。
そんな、たまに応えるように淡幽は記していく。たまのため、自分のため、そして未来のため…
たまの話も尽き、他の蟲師を招くようになり、淡幽は知った。たまが、少しでも淡幽が痛みを忘れるように、苦心して話していたことを。
他の蟲師の話は殺生の話ばかり。如何に蟲を殺したか…蟲を害虫と言いきり自慢げに話す蟲師たち。
そして淡幽の感じる足の痛みは、心の痛みを伴うものへと変化していく…
微小で下等な生命への驕り…異形のモノ達への理由なき恐れが招く殺生…

心無い蟲師の言葉に傷付く淡幽。
気晴らしに外に出た淡幽に、声を掛ける者がいた。
「あのぉもし。狩房家の娘さん?」
淡幽とギンコの初体面。ギンコは狩房文庫目的で尋ねてきたのだった。
「蟲を殺す話はもうたくさんだ…」
他の蟲師と同じだと思った淡幽は追い返そうとするが…
「じゃぁ殺さねぇ話な。あぁそっちの方が随分多いな」
淡幽の言葉も聞かずにさっさと語りだすギンコ。
「まずは黒子を食う蟲の話」
「ほくろ?」
意外な話に興味をおぼえた淡幽は先を促す。
ギンコは、今まで会ったことのないタイプの蟲師だった。

■Bパート
たまに内緒で書庫に案内する淡幽。ギンコをすっかり気に入った様子。もう心は鷲掴みさ!(ぇ
書庫の中には膨大な数の書が納められていた。
ギンコも蟲師の端くれとして禁種の蟲の話は耳に入っていた。
ここの書はまさに蟲師の宝。しかし死の目録でもある。
淡幽の望む話は、生物と蟲の共存の話。
ギンコもそう語る淡幽を気に入った様子ですね。
目覚めた淡幽にギンコ来訪を告げるたま。
淡幽がすごく穏やかな表情をしていますね。殺伐とした話を記す淡幽にとって、ギンコの話はとても楽しいんだろうなぁ。
書庫で一心に書を読みふけるギンコ。
すると書に変化の兆しが…
書の文字列が崩れだし蟲が蠢きだす。
「起きた…のか…?」
ギンコは、そこにちょうど呼びに来たたまへ、書の急を告げる。
書から次々と水のように流れ出す文字列。なかなかシュールだ(ぉ
さすがのおたまさんもこれにはビックリだ!
上の部屋で待っていた淡幽に封が解けたことを急ぎ伝えるたまとギンコ。
通路を伝い淡幽のほうへ這い出していく文字列は、部屋を埋め尽くし蠢いている。
なかなか凄いものがあるな…(汗

しかし、落ち着き払った淡幽。
「なに、この部屋からは出られん」
ギンコも唖然としながらも動じないのは流石だ(笑)
淡幽はというと冗談まで言うほどの余裕。
「私にだって、できる蟲封じはあるのだぞ」
なんつーか…ギンコに業を見せられることを嬉しいて感じかな(ぇ
たまから箸を受け取る淡幽。
部屋中の文字列の動きが止まる。
壁に触ると粘ついている。壁と天井に特別な糊が塗られているという。
「巻ノ一千八百五十三、一ノ章」
おもむろに発した言葉と共に手にした箸で文字列を摘む淡幽。
一気に引き抜くと、その文字列をたまがキャッチし新しい紙に貼り付けていく。
なんかスッゲー格好イイぞ!
しかもあの蔵書の内容を全て憶えているのか…(激汗
「二ノ章」
次々と紙に戻っていく文字列。
紙はどんなに大切に扱ってもいずれ劣化する。よっていつかは『写し』をしなければならない。
普通に写しては封じたことにならないために、このやり方が伝えられてきた。
「あのシミはお嬢様の愛玩物なのだよ」
「ふふふ…あれは愛嬌があってよい」
…え?
ニゲダスノハケイサンズクナノデスカ?(汗)
「またそれは危険な遊びを…」
ホントですね(笑)
まぁたまも認めてるから大丈夫なんだろうな(大笑)
「決して下手をしたりはしない。それが私の務めなのだから」
自分の使命に誇りを持ち、同時に蟲との共存を望む淡幽の決意というところかな。

「文字の海に溺れるように生きた娘がひとりいる」
何の話をしていたんだろう。
なんとなく『山抱く衣』かなぁと思ってみたり。な?化野!(ぇ
「ギンコ。終わるまでそこにいてくれな」
淡幽は聞いた話を紙に書き連ねていく。
墨の足から文字が全身を伝い指に集まる。
そして、指から紙に写っていく文字列。
走る激痛に耐えながら…
「蟲に身体を侵食されながら、蟲を愛でつつ、蟲を封じる。そういう娘がひとりいる」
休ませようとするギンコだが、淡幽は外が見たいと外出する。
振り返った淡幽の憂いを含んだ表情がなんと魅力的なことか!(ぉ

ギンコにおぶさって、心情を吐露する淡幽。
動かない右足。消さねければ子孫が引き継ぐことになる。叶わないかもしれない願い…
その言葉を聞いたギンコは何を思う…
「お前さ…足、治ったらどうすんだ?」
「お前と…旅がしたいな」
冗談だと言う淡幽だが…
「いいぜ。それまで無事、俺が生き延びられてたら…だがな」
なんつー笑顔を見せてくれやがりますか!
こんな笑顔を見せられたら意地でも生きるってば!(ぉ
つか、なんて細かい仕草ですか!
そよぐ風にたなびく髪。さり気なく押さえる羽織。髪を掻き上げるちょっとしたテレ。
なんて言うかさ…これって告白だよね?
流れモノなりにギンコも受け入れてるようですが!(ぉ
とうとう地上波版蟲師が終了しました。
全編を通してのハイクオリティ。感服です。
で、今回の話。
生命を守るために封じられた蟲。禁種の蟲を封じ続けている一族。狩房家と薬袋家。
特殊な事情を抱える者は理解されることは少ないわけですが…。
特殊な職業であろう蟲師でさえ淡幽の心は理解できていないのですね。
おそらくは、たまやギンコ、ムジカ、ぬいのような蟲師は少数派なのでしょう。
ほとんどの蟲師は人に仇なすモノには容赦がない…というか利益優先なのかもしれませんね。
自然との共存は二の次。人間の“今の”生活が大事なのだと思います。
そんな蟲師の話を聞く中、ギンコと出会う。その話は共存を求めた解決法。太夫の心は休まるだろうなぁ。
淡幽とギンコは最後に『生きる』という言葉を繰り返していましたね。
これは蟲師全編に通じるテーマだったのでしょう。
ギンコは自分の命に関わるような危険な行為を行ないますね。
『やまねむる』なんていい例だと思います。
そんなギンコに淡幽は生き続ける約束をさせたことになるのだと思います、
この遣り取りで二人には『愛』があるような気がしてなりませんが…
『春と嘯く』のスズは恋だと思いますけど(ぇ
以降はBSフジで5/14から放送するようです。
見れる人は見てください。自分はDVD待ちですね。

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